命 毛 と書いて“いのげ”と読みます。
僕としてはあまり聞きなれない言葉なのですが、最近ライターの方の記事をみていて知りました。
ここで言う命毛とは髪型において顔まわりの前髪の横にあたる髪の毛の事を指します。
ライターさんの記事によると、安易にこの前髪の横の髪の毛を残して顔をかくせば小顔になるとのことでした。
しかし美容師をしているぼくは逆の意見です。
もちろん小顔にみせるために顔に髪の毛を残す事は多々ありますが、前髪の横の毛を残す=小顔になるかと言われれば答はNOです。
人は隠れているものを想像して観ようとする性質があります。
下手に顔まわりの髪の毛を残してしまえば逆に顔を大きく想像させてしまうだけで完全に逆効果になってしまいます。
ではどのような命毛が顔を大きく想像させてしまうのか、逆にどのような命毛が顔をスッキリ小さくシュッと魅せるのか。
僕なりの考えを記事にさせて頂きたいと思います。
命毛とはどんな本質的な魅せる効果と逆効果があるのか
顔を大きく想像させる命毛
若い女の子のお客様は大抵顔まわりの髪の毛を残したいと言われます。
アイドルを名乗る方々がそういった事を言っていたりするそうですが、これは小顔に見せられる方とそうでない方が存在し大半の方は僕の経験上では後者に当たると思っています。
前髪の横の髪の毛をただ残す、、、。
大体この髪の毛を残したいと思っている女性の方は何故なのか例外なく、、、重く、、、残っています。
セルフで前髪と前髪横の髪の毛を切っている方はもちろん、美容師さんに切ってもらっているはずであろう方々も大体重く残っています。
顔まわりにかかる髪の毛が軽く作り込んでいる場合はこれに当たりませんが、計算なく前髪の横の髪の毛をただ残している。
このケースはほとんどの方が顔が大きくみえます、というより顔が大きくみえるように想像をさせてしまっています。
さらに言ってしまえば、地味顔の方・面長の方・老け顔の方はさらに、、、地味に、、、馬面に、、、老けて淋しく、、、悲壮感漂う仕上がりになってしまいます。
でも顔まわりの髪の毛を残した方が安心する、その気持ちは理解しているつもりです。
僕もどちらかというとカットをしはじめた頃は残していました。命毛、、、。
しかし本当のことを言うと、その方の輪郭やその時の全体の髪型とのバランスで見え方がかなり変わってきてしまう事。
もう一つは命毛の造り方のクオリティーで逆に顔を大きく想像させてしまう事を理解した上で切らなければなりません。
顔を小さく魅せる命毛
では顔をスッキリとシュッとした感じに魅せる命毛について書いていきますね。
まず小顔に見せるためには、全体の髪型のボリューム感が必須になります。
ペタンコでコンパクトすぎたり、タイトすぎてしまうと対比効果によって顔が大きく見えてしまいます。
ゴルフボール・野球のボール・サッカーボールを想像してみてください。
ゴルフボールの横にある野球のボールとサッカーボールの横にあるテ野球ボール、、、どちらが大きくどちらが小さくみえますか。
サッカーボールの横にある野球のボールですよね。
このようにまずは顔の近くにあるものを大きく作り必然的に顔を小さく見せることが重要になります。
次に人間の顔の形を図形に置き換えてみて想像して頂きたいのですが、○と□だと人間の顔を図形で描くとするとどちらでみなさんは描きますか?
ひねくれていない方は大抵○で描くと思います。
丸顔の方やエラ張りさんの方ほど顔まわりの前髪の横の髪の毛を残して顔を隠したがるのですが、そうしてしまうと顔の肌が露出する部分は四角に近い形にみえます。
すると第三者からすると顔を丸く想像する方が大半なので、顔を大きく想像させてしまうのです。
図形の話に戻りますが、実は顔を一番スッキリとシュッとみせてくれる形を図形に置き換えると◇ひし形になるんですね。
と言う事は、前髪の横にくるこめかみ付近の髪の毛が“いらない”という顔型と輪郭の方が多くなるのです。
だからといって闇雲にこめかみ付近の髪の毛を切りすぎてしまうのもよくありませんが、大抵の方や美容師さんもこの事実を間違って認識しているように思えてなりません。
まとめ
・命毛は前髪の横の髪の毛を安易に残すだけだと、重く野暮ったく見える方が多い。
・下手すると顔を大きく想像させたり、より地味に・より馬面に・より老け顔に淋しくみせてしまう。
・小顔に見せるには全体の髪型のボリューム感が必須。
・顔の形はひし形にみえるようにするとスッキリとシュッと洗練される。
最後に
もちろん誰でもにあてはまることではありませんが、顔を隠せば小顔にみえるというのは安易すぎます。
全体の髪型のバランスも顔の形の見え方もそうですが、全体的な奥行き感も素敵に魅せるには重要な要素になってきます。
今回は命毛が小顔にみえるという安易な考えが世の中に浸透してほしくない気持ちで物申しました。
また髪型だけに囚われてしまってもトータルバランス(全身のバランス)が悪くなってしまう事もありますので気をつけていきたいですね。